新たな外国人材採用の手段として浸透しつつある特定技能ですが、活用を検討していながらも何となく導入にまでは至っていないというところも多いのではないでしょうか。

本記事では特定技能の概要をご紹介し、メリット・デメリットについて説明しています。

在留資格「特定技能」とは?

従来、日本では外国人労働者が工場や現場などでいわゆる単純労働のみに従事することが認められていませんでした。

このような規制を一部緩和する形で創設されたのが特定技能です。

これにより、一定の専門性・技能を有すると認められた外国人が、それまで認められていなかった業務に従事できるようになりました。

2019年4月に始まった特定技能制度は、コロナ禍で新規入国ができない中でも技能実習生からの移行によって順調に利用者が増加しています。

2022年5月には特定技能での就労者数は80.000万人を超えました。その半数以上は食品工場や製造業の現場で就労しています。

技能実習生との違い

特定技能と比較されることが多い技能実習制度ですが、両者は様々な点で違いがあります。

大きな違いの1つとして、相場となっている給与が異なることが挙げられます。技能実習生は基本的に未経験者からの採用になります(母国でも社会人経験がない人もいます)。

このため、最低賃金ベースでの給与設定をしている受入企業も多く存在します。

一方、特定技能は経験者を採用することが前提の制度となっており、最低賃金ベースにしている場合は入管や国交省から給与を引き上げるよう指示されることがあります。

他にも、技能実習生は従事できる業務が厳しく制限されており、決められた業務以外のことに従事させることは認められていませんが、特定技能の場合は日本人従業員と同様の業務に従事させることができ、いわゆる単純労働に就かせることも可能になっています。

特定技能外国人を受け入れるメリット

それではまず特定技能外国人を受け入れるメリットを紹介します。

人手不足の解消

日本人に対して求人を出しても応募がないということもありますが、特定技能外国人であれば必要な人数の採用が可能です。特に、人材紹介サービスを活用することで、自社に適した人材に出会える確率がより高まります。

また、特定技能外国人は関連する職種で技能実習を3年以上経験しているか、所定の技能試験に合格しているので、即戦力としても期待できるメリットがあります。

フルタイムでの雇用

留学生などのアルバイト雇用では週28時間までの就労制限がありますが、特定技能ではフルタイムでの雇用が可能です(逆に、特定技能外国人に短時間勤務をさせることはできません)。

外国人にも日本人従業員と同じように働いてほしいという企業にメリットのある制度になっています。

自由な雇用契約期間

技能実習生は原則3年間の雇用が前提となっていますが、特定技能の場合は3年以内であれば雇用契約期間の設定は自由となっています。

半年や1年間のみの契約とすることも可能ですし、能力や業務量などに応じて1年ごとの更新にするということもOKです。

農業や漁業のように繁忙期、閑散期がはっきりしている業種では繁忙期のみ雇用ということも可能となります。

注意点としては、他の業種で特定技能として労働していた場合は、他の業種での就労期間を合算した上で特定技能1号の上限5年となるので、面接時には特定技能としての就労経験と就労期間を必ず確認してください。

上記の法令管轄は入管ではなく、労基法の管轄になります。

 特定技能外国人に対しては、法律で所定の「支援」を行うよう定められています。

支援の内容は、寮の準備や入社時の様々な手続き(転入届や銀行口座開設、携帯電話の契約など)への同行に加え、3カ月1回以上の頻度で面談を行うなどです。

いわゆる高度人材とは異なり、特定技能外国人に対しては手厚い生活サポートをしなければならないのもデメリットです。

企業組合ワークプラザでは特定技能外国人に必要な支援の委託ができますので、専門的な知識がない企業様でも安心して受入れができます。お気軽にお問合せください。

特定技能外国人を受け入れるデメリット(注意点)

特定技能外国人の受け入れはメリットがある反面、デメリット(注意点)もあります。

転職自由

特定技能は転職が自由な制度となっているので、採用した人材が数ヶ月で転職してしまうということもデメリットとして考えられます。

特定技能外国人も日本人と同様に楽で多く稼げる仕事に集中しがちで、日本人よりもお金にシビアです。職場に定着してもらうためには、条件を整えることが非常に重要です。

法定の支援が必要

特定技能外国人に対しては、法律で所定の「支援」を行うよう定められています。

支援の内容は、寮の準備や入社時の様々な手続き(転入届や銀行口座開設、携帯電話の契約など)への同行に加え、3カ月1回以上の頻度で面談を行うなどです。

いわゆる高度人材とは異なり、特定技能外国人に対しては手厚い生活サポートをしなければならないのもデメリットです。

特定技能外国人を受け入れるメリット・デメリットをチェック

ここまで、特定技能の代表的なメリット・デメリットをご紹介しました。制度を活用することで人手不足が解消されるという点は大きなメリットです。

転職などのデメリットについても、面接の段階できちんとマッチングができていればそのリスクをかなり低く抑えることができます。

JobPoolでは日本全国の外国人材からの求職者登録を受け付けており、現在1,200人を超える求職者を擁しています。

特定技能での就労を希望する外国人材からの登録も多く、受入企業様の要望に沿う人材の紹介が可能です。

また、面接前に、当組合が準備している「ご挨拶動画」を見ていただくことで、事前に面接参加者の日本語レベルや所作などを確認していただけます。

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参考資料

法務省「「令和4年6月末の特定技能制度運用状況」について(PDF)」
https://www.moj.go.jp/isa/content/001359454.pdf