2019年4月に「特定技能」という新しい在留資格が創設されて以来、特定技能ビザでフィリピン人の採用を検討する企業も増えてきています。

フィリピンの公用語の一つは英語で、英語を母語とするフィリピン人も多く、日本語が不得意でも最低限の意思疎通ができるなどの理由から人気が高いです。

一方で、フィリピン政府は自国の出稼ぎ労働者を保護することを目的として、他国とは異なる手続きを求めています。

今回は、特定技能ビザでフィリピン人を採用するメリットや、フィリピン特有の手続きなどについて解説します。

特定技能ビザで働くフィリピン人の現状

特定技能ビザで就労する外国人は右肩上がりに増加を続けており、2022年12月末には13万人を突破しました。国籍別に見るとフィリピン人は第3位で、人数としては約13,000人です。

また、特定技能ビザも含め、日本に在留するフィリピン人は約30万人(2022年6月末時点)となっており、各地にフィリピン人のコミュニティもできあがっていることなどから、フィリピン人にとっても日本は働きやすい場所の一つになっています。

特定技能でフィリピン人を受け入れるメリット

フィリピンは年中暖かく、いわゆる常夏の国です。そういった気候のためか、フィリピン人には南国特有の明るさ・おおらかさがあり、職場になじむのも早い傾向にあります。

また、思いやりの気持ちや他人のことを考えることができる人が多く、介護や接客業など直接利用者やお客さんと接する仕事に向いているといえます。

特定技能でフィリピン人を雇用する際の手続き・流れ

ではここから、特定技能でフィリピン人を雇用する際の手続きの流れを「フィリピンから新たに受け入れる場合」と「日本で雇用している場合」に分けて解説していきます。

フィリピンから新たに受け入れる場合

特定技能でフィリピン人を雇用する場合は、以下のような流れとなります。

①     送出機関と人材募集に係る募集取決め(Recruitment Agreement)を締結
②     「POLO」 への書類提出
③     「POLO」での面接
④     「POEA」への登録
⑤     特定技能人材との雇用契約の締結
⑥     入管へ在留資格認定証明書の交付申請
⑦     ビザ発給申請
⑧     出国前オリエンテーション(Pre-Departure Orientation Seminar)の受講
⑨     特定技能人材が母国で健康診断を受診
⑩     海外雇用許可証(OEC:Overseas Employment Certificate)の発行申請
⑪     入国

①の「送出機関」とは、一般にフィリピン側の人材派遣会社のことを指します。また、②・③のPOLOは「駐日フィリピン大使館海外労働事務所」の略称、④のPOEAは「フィリピン海外雇用庁」の略称です。フィリピン人を特定技能で雇用する際は、駐日フィリピン大使館へ書類を提出して面接を受けたり、POEAというフィリピン側の行政機関の登録を受けたりしなければなりません。

また、フィリピンの日本大使館でビザの発給を受けた後に、出国前オリエンテーションや健康診断を受けるなどする必要があります。ビザの有効期間は3カ月ですので、計画的に進めないとビザの有効期限が切れるおそれもあります。

日本に在留している場合

日本に在留するフィリピン人を特定技能で雇用する場合は、以下のような流れとなります。

①     送出機関と人材募集に係る募集取決め(Recruitment Agreement)を締結
②     「POLO」 への書類提出
③     「POLO」での面接
④     「POEA」への登録
⑤     特定技能人材との雇用契約の締結
⑥     入管へ資格変更申請

①〜⑤は、フィリピンから新たに受け入れる場合と同じです。一方で、ビザ発給や出国前オリエンテーションは必要ありませんので、入管から許可が出ればすぐに就労可能となります。

特定技能でフィリピン人を雇用する際の費用について

主な費用としては、送出機関へ支払う手数料と登録支援機関へ支払う支援委託費があります。手数料は送出機関によって大きく異なり、安いところでは特定技能人材の給与1カ月分、高いところでは100万円程度に設定しているところもあります。

また、登録支援機関とは、雇用したフィリピン人の「支援」を行ってくれるところです。支援委託費は毎月2〜3万円が相場です。

このほか、フィリピンから新たに受入れる場合は、渡航費の負担を求めてくる送出機関や登録支援機関もあります。

まとめ

ここまで、特定技能でのフィリピン人の受け入れ方法についてご紹介しました。フィリピンにいる人材を新たに受け入れるか、日本に在留するフィリピン人を採用するかによって、手続きの種類や必要な費用が変わってきます。

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既にご紹介したようにフィリピン人の採用手続きは非常に複雑になっていますが、JobPoolは特定技能人材の紹介実績も多く、手続きにも精通しております。特定技能でのフィリピン人雇用を検討されている企業様は、ぜひ一度JobPoolまでお問い合わせ下さい。

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